「テロ事件以来、悲しい表情のパリジャンを笑顔にできるロボットを作りたい」―フランスの10歳の少女が、博士課程レベルの奨学金プログラムParis Summer Innovation Fellowshipの一員に選ばれた。
博士課程レベルの研究者20名の1人
プログラムのテーマは、「DIY都市計画」「データ科学」「マッピング」の3つ。
パリが直面している課題へのソリューション構築に挑む、クリエイティブかつ優秀な人材に対し、夏の2週間にわたって、資金、ツール、スペース、サポートを提供する。
対象となる研究者は、年齢・国籍ともに不問としているが、応募者のほとんどが博士課程レベル。
世界中から集まった数多くの応募願書の中で、若干10歳の候補者Evaさんが切々と綴る言葉が、プログラムの責任者Kat Borlonganさんの目に留まった。
再びパリ市民が幸せになるロボットを作りたい
「テロ事件から数か月、パリの街は悲しい。私は再びパリ市民が幸せになれるようなロボットを作りたいです」
しかも、この健気な動機と意欲は、すでに具体的な行動に現れていた。
「Thymio(教育用ロボット)でロボット工学プログラミングを学び始めていますが、うまく動かすことができません。専門家のサポートを受けられるよう、このプログラムに参加したい」
答えはイエス
少女の熱意と行動力に胸を打たれたBorlonganさんは、Evaさんへの返事をFacebookに公開した。
「答えはイエス、あなたのプロジェクトが大好きです。私も、パリの街をより良くして、人々を再び笑顔にするために、もっとすべきことがあると思う」
Borlonganさんは、Evaさんの活動が、世界中の少女たちに、学び成長するための様々な方法を積極的に探し、援助を求める勇気を与え、励ますことも期待している。
ロボット会社の社長が直々にサポート
さらにBorlonganさんは、Evaさんがプログラミングを学んでいる教育用ロボットThymioの会社に、彼女をサポートする専門家を指定するように要請。
するとロボット会社では、社長が直々に少女をサポートするうえ、最新モデルを提供してくれることになった。
どんなロボットがパリ市民を笑顔にするのか、プロジェクトの成果が楽しみだ。